家族にワキガ体質の人がいると
他の家族もなる人が多いと耳にしますが
実際にワキガは遺伝するものなのでしょうか?
実は、昨今の研究でワキガは
優性遺伝することが判明しつつあります。
というのは、ワキガの原因は
アポクリン汗腺が多い、または
大きくて働きが活発であることです。
私たちの体にはアポクリン汗腺と
エクリン汗腺の2種の汗腺が存在するのですが
通常の体温調節として暑い時や運動時に
分泌される汗はエクリン汗腺からの汗です。
エクリン汗腺は全身に分布していて
水分99パーセントと塩分1パーセントから成る
サラリとした汗であるのに対して
アポクリン汗腺はワキや陰部や乳首
耳の後ろなど限られた部位のみ分布していて
汗は水分70~80パーセントで残りは皮脂や鉄分
色素などの栄養が豊富な成分で粘性が高い特徴があります。
汗臭いという言い方をしますが汗自体は無臭なんですね。
そこに雑菌が繁殖して
老廃物を出すことで臭いが発生するのですが
栄養豊富で脇や陰部など湿気の多い部位に分泌される
アポクリン汗腺からの汗は格好の雑菌の餌食となり・・
臭いも強くなっちゃうわけなんです。
そしてワキガの人はそのアポクリン腺からの
汗が多い体質の人ということになります。
ここで腋臭は遺伝する・・の話に戻りますが
優性遺伝することがわかっているのはアポクリン汗腺の数です。
アポクリン腺が少ない決定をする遺伝子よりも
多い決定をする遺伝子の方が優勢になっちゃうんですね。
わかりやすく説明すると
アポクリン腺を多く持つワキガ体質の父の遺伝子をAA
非ワキガ体質でアポクリン腺が一般的な数の母のものをaaとします。
その子にはAaが受け継がれますが
aではなくAの体質が優位となり受け継がれるため
親のどちらかがワキガ体質だった場合その子供にも
高い割合でその体質が受け継がれるということになります。
ある研究では両親共にワキガ体質だった場合
70~90パーセント以上の割合で
子供に体質が受け継がれると言われており
どちらか片方の親だけでの場合は
それでも50~70パーセント以上の割合で受け継がれるといいます。
想像以上に高い割合で受け継がれるので
ちょっと驚き・・というのがマジな感想なのですが
日本人ではワキガ体質の人は10~20パーセントと
白人や黒人に比べるとかなりその割合は低いのです。
親から子へその体質を受け継がれないように
阻止する方法は今のところは見つかっていませんが
最近では効果の高いデオドラント剤も市販されていますから
普段からマメにケアしていくことが大事ですよね。
ワキガ手術という方法もありますが
できれば手術は避けたい・・という声が多いことも事実なので
毎日朝出かける前や夜お風呂上りなど
清潔にしてデオドラント剤を使ってケアしてみましょう。